【NISA】令和9年度税制改正でNISAが変わる?金融庁が「使いやすさの向上」を要望
■まず結論から
2026年8月、金融庁が「令和9年度税制改正要望」を公表しました。NISAについては、次の2つが盛り込まれています。
・NISAで商品を売ったとき、使える枠が「翌年」ではなく「売った年のうち」に戻るようにする
・つみたて投資枠で買えるETF(上場投資信託)の種類を広げる
いずれも現時点ではまだ「要望」の段階で、決まったわけではありません。今後、年末に向けた税制改正の議論で、どこまで実現するかが注目されます。
■「税制改正要望」とは?
国の税金のルールは、毎年見直されています。その最初の段階として、各省庁が「来年度はこんな税制の見直しをしてほしい」と要望を出すのが「税制改正要望」です。
その後、与党や政府での議論を経て、年末に「税制改正大綱」としてまとめられます。つまり、要望に入ったからといって、必ず実現するとは限りません。
■今のNISAのしくみをおさらい
NISAは、投資で得た利益に税金がかからない制度です。2024年から新しい制度になりました。
・1年間に投資できる金額:つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円=合計360万円
・生涯で保有できる金額(非課税保有限度額):1,800万円
■要望1:売った年のうちに枠が戻るように
【今のルール】
NISA口座で持っている商品を売ると、その商品を買ったときの金額(簿価)の分だけ、1,800万円の枠が空きます。ただし、空いた枠が使えるようになるのは、売った年の翌年以降です。
【要望の内容】
売った年のうちに、枠が戻るようにする仕組みが示されました。
(例)1,800万円の枠をすべて使っている方が、買ったときの金額が600万円分の投資信託を売った場合
・今のルール:売った年はNISAで新しく投資できず、翌年から再投資できる
・要望が実現した場合:売った年のうちに再投資できる
ただし、1年間に投資できる金額(合計360万円)の上限は変わりません。再投資もこの範囲内で行う必要があります。
もし実現すれば、住宅購入や教育費などのライフイベントに合わせて商品を売ったあとも、同じ年のうちにNISAを使って再投資しやすくなります。
■要望2:つみたて投資枠で買えるETFを拡大
ETF(上場投資信託)とは、証券取引所で株式と同じように売買できる投資信託のことです。
今のつみたて投資枠では、長期・積立・分散投資に向いた一定の投資信託やETFだけが対象です。ETFは、決められた指数(株価指数など)に連動する「指定指数連動型」に限られています。
金融庁は、ETF市場の環境が整ってきたことを踏まえ、それ以外のETFについても、一定の要件を満たせばつみたて投資枠の対象に含めるよう求めています。
■まとめ
今回の要望は、NISAの非課税枠そのものを大きく広げるものではありません。今ある制度を、より柔軟で使いやすくする内容が中心です。
現時点では要望の段階のため、NISAの使い方を急いで変える必要はありません。年末の税制改正大綱でどうなるか、引き続き注目していきましょう。
NISAと確定申告の関係など、ご不明な点があればお気軽に当事務所までご相談ください。
※本記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。要望の内容は、今後の税制改正の議論で変更・見送りとなる場合があります。
(参考:金融庁「令和9(2027)年度税制改正要望について」2026年8月)
