
【国債】中小企業も購入できるように!「個人向け国債プラス」で広がる会社の余裕資金の運用先
■まず結論から
これまで個人しか買えなかった「個人向け国債」が、2026年12月募集分(2027年1月発行分)から一部の法人でも買えるようになります。名称も「個人向け国債プラス」に変わります。
中小企業にとっては、すぐには使わない会社のお金(余裕資金)を、安全に運用できる選択肢がひとつ増えることになります。
■「国債」とは?
国債とは、国が発行する債券、つまり「国にお金を貸す」ことで利息を受け取れる金融商品です。
中でも個人向け国債は、元本(貸したお金)が保証され、満期には全額が戻ってくる安全性の高い商品として、これまで個人に人気がありました。
■どんな法人が買えるの?
購入できるのは、金融商品取引法でいう「一般投資家」にあたる法人等です。主な例は次のとおりです。
【購入できる法人等】
・非上場の会社:資本金5億円未満の非上場の株式会社、合同会社、合資会社、合名会社
・非営利法人:医療法人、社会福祉法人、学校法人、一般社団法人・一般財団法人、NPO法人、宗教法人、税理士法人など
・その他:マンション管理組合など
【購入できない法人等(特定投資家)】
・上場会社、資本金5億円以上と見込まれる株式会社
・銀行・証券会社・保険会社などの金融機関
・特殊法人、独立行政法人、外国法人など
多くの中小企業は、購入できる側に含まれます。
■商品の内容
商品の内容は、これまでの個人向け国債と変わりません。
・種類:「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3種類
・購入金額:最低1万円から、1万円単位で購入可能。上限はありません
・中途換金:発行から1年が経てば、途中で換金できます
「変動」は、市場の金利に合わせて半年ごとに利率が変わるタイプです。「固定」は、満期まで利率が変わらないタイプです。
■余裕資金の運用先としてどう使う?
会社には「すぐには使わないけれど、元本は減らしたくない」というお金があるものです。たとえば、納税資金や賞与の支払い資金、将来の設備投資のための積立てなどです。
個人向け国債プラスは、満期には元本が全額戻ってきます。さらに、発行から1年が経てば途中で換金することもできます。そのため、安全性を重視したお金の置き場所として検討しやすい商品です。
■注意点
・発行から1年以内は、原則として換金できません
・途中で換金する場合は、元本は保証されますが、直前2回分の利子に相当する額(およそ1年分の利子)が差し引かれます
・金融機関によっては、法人向けの販売開始が遅れる場合があります。購入する際は、取引のある金融機関に確認しましょう
■税理士からのワンポイント:会社が受け取る利子の税金
会社が国債の利子を受け取ると、原則として15.315%の所得税(復興特別所得税を含む)が差し引かれます。この差し引かれた所得税は、会社の法人税を計算するときに差し引くことができます(所得税額控除)。
また、受け取った利子は会社の収益になります。決算のときには、正しく会計処理をすることが大切です。
■まとめ
個人向け国債プラスの登場で、中小企業の余裕資金の運用に新しい選択肢が加わります。
普通預金だけに偏らず、「そのお金をいつ使うのか」を整理したうえで、安全性・収益性・流動性(すぐ現金にできるか)のバランスを考えて活用を検討しましょう。
当事務所では、資金繰り表をもとにした余裕資金の把握や、運用した場合の会計・税務についてのご相談をお受けしています。
※本記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。最新情報は財務省のホームページや取扱金融機関でご確認ください。
(参考:財務省「個人向け国債の販売対象となる法人等」)
