ひらのゆうじ税理士事務所

【所得税】青色申告の75万円控除がスタートへ!2027年分から導入される新要件をチェック!

【所得税】青色申告の「75万円控除」がスタート!2027年分から変わる新しい要件をわかりやすく解説

■まず結論から

個人事業主やアパート経営をしている方などが受けられる「青色申告特別控除」が、2027年分の所得税から大きく変わります。

・最高額が65万円から75万円に引き上げられます
・ただし、紙で確定申告をしている方は、控除額が大幅に減ります(55万円→10万円)

2027年分から75万円控除を受けるには、2026年中の準備が必要です。

■「青色申告特別控除」とは?

確定申告には「青色申告」と「白色申告」があります。青色申告は、きちんと帳簿をつけることを条件に、税金の面で優遇を受けられる制度です。

その代表的な優遇が「青色申告特別控除」です。所得(もうけ)から一定額を差し引けるため、その分だけ所得税や住民税が安くなります。

■2027年分から控除額はこう変わります

【75万円控除(新設)】
次の条件をすべて満たす場合
・複式簿記(正式な帳簿のつけ方)で記帳する
・貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付する
・期限内に申告する
・e-Tax(インターネットでの電子申告)で申告する
・「優良な電子帳簿の保存」または「デジタルシームレス保存」に対応する

【65万円控除】
75万円控除の条件のうち、最後の電子保存の要件だけを満たさない場合です。これまでどおり、e-Taxで期限内に申告すれば受けられます。

【10万円控除】
・複式簿記で記帳していても、紙で申告する場合
・簡単な帳簿(簡易簿記)で記帳している場合

これまでの「55万円控除」(複式簿記+紙での申告)は廃止されます。そのため、紙で申告を続けると、控除額が55万円から10万円に下がってしまいます。

また、簡単な帳簿で記帳している方のうち、事業や不動産の前々年の収入が1,000万円を超える場合は、10万円控除も受けられなくなります。

■具体例でイメージしてみましょう

(例1)e-Taxで申告している方が75万円控除に移行した場合
控除額が10万円増えます。所得税と住民税を合わせた税率が20%の方なら、税金が約2万円安くなります。

(例2)複式簿記で紙申告を続けた場合
控除額が55万円から10万円へ、45万円減ります。税率20%の方なら、税金が約9万円増えてしまいます。

■75万円控除に必要な「電子保存」とは?

75万円控除を受けるには、65万円控除の条件に加えて、次のどちらかへの対応が必要です。

【優良な電子帳簿の保存】
仕訳帳や総勘定元帳などの帳簿を、一定の条件を満たした形でパソコン等に保存する方法です。主な条件は次のとおりです。
・データを訂正・削除した履歴が残る
・帳簿どうしのつながりが確認できる
・日付・金額・取引先で検索できる
これらの条件に対応した会計ソフトを使うことで対応できます。

【デジタルシームレス保存】
一定の基準を満たしたシステムを使い、デジタルインボイス(電子の請求書)や銀行口座の取引データを、改ざんを防ぎながら帳簿と結びつけて保存する方法です。

さらに、75万円控除を受けるには、適用を受ける年分の確定申告期限までに届出書を提出する必要があります。

■今からできる準備

・お使いの会計ソフトが「優良な電子帳簿」に対応しているか確認する
・紙で申告している方は、e-Taxでの申告に切り替える準備をする
・届出書の提出時期を確認しておく

特に「優良な電子帳簿」で75万円控除を受ける場合は、その年の初めから条件を満たした帳簿をつけておく必要があります。2027年分から適用を受けるには、2026年中に準備を整えておきましょう。

■まとめ

2027年分から、青色申告特別控除は「デジタル化しているかどうか」で大きな差がつく制度になります。e-Taxと電子帳簿に対応すれば控除が増え、紙のままだと控除が大幅に減ります。
当事務所では、会計ソフトの選び方や電子帳簿への切り替え、e-Taxでの申告についてのご相談をお受けしています。お気軽にお問い合わせください。

※本記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。2026年分(2027年に行う確定申告)は、現行の制度(65万円・55万円・10万円)が適用されます。
(根拠:令和8年度税制改正、租税特別措置法第25条の2)
(参考:国税庁「優良な電子帳簿の保存又はデジタルシームレス保存により75万円の青色申告特別控除を適用しましょう!」)