ひらのゆうじ税理士事務所

働きながら税理士試験の大学院科目免除という選択をすること   

税理士の資格を取得するためにはいくつかのルートがあります。

その中に大学院で修士論文を書き、一部の科目免除を利用するというものがあります。

私はこの大学院科目免除というルートを選択しましたが、今振り返ると決して楽ではありませんでした。

 

大学院選び

私は、確実に2年間で大学院科目免除を取るために河合塾KALSの税理士「税法」科目免除大学院対策を受講しました。こちらの講義では「税法」や「税法事例研究」を学ぶことができ、入学試験である研究計画書の書き方や面接試験対策、入学後にどんな研究テーマを選択するかなどとても参考になりました。そして、現在通学されているOB・OGの生の声が聞けて、実際にその教授の人柄や論文指導の進め方などインターネット等ではわからない情報がたくさん聞けて大学院を選ぶにあたりとても役に立ちました。そんな中、私は社会人が多く通学し免除率が高い大学院を選びました。

 

働きながらの通学

私は仕事をしていたので夜間や土曜日に授業がある大学院を選択しました。
当たり前ですが大学院は授業に出席して必要な単位を取得しなければ卒業をすることが出来ません。なるべく土曜日の授業を選択して、足りない部分を平日夜間の授業でカバーしましたが、それでも数日は有休を使って大学院へ通いました。
平日は仕事後に課題をやり、またある日は夜間の授業が終わった後に事務所に戻り仕事をするという生活でした。土曜日は一日中大学院で授業及び課題に取り組み、日曜日も課題が終わっていない時はその課題を終わらせるのに必死でした。

 

修士論文について

修士論文という膨大な量の文章を論理的に書き上げ審査に合格するレベルまで持っていくためには、自分一人の力だけでは難しく必ず教授の指導が必要となります。
なので、入学前にどの教授から指導を受けたいかを考えることが非常に重要になります。
私の教授は熱心に指導して下さい、決して優秀でない私を合格レベルまで引き上げて頂きました。その教授に租税資料館賞に応募するように勧められ、実際に応募しましたが見事に落選してしまいました。そんなこともいい思い出でありその教授には今でも本当に感謝しています。
修士論文は、研究テーマを何にするかが非常に重要です。私も実際に研究テーマを決定するまでに約1年かけて検討しました。税法の分野では、すでに研究しつくされているものも多く、そのようなテーマで独自性を出して修士論文を書くことは難しいです。
なので、研究テーマは慎重に選んだ方がいいと思います。中には直前で研究テーマを変更せざるを得なくなって非常に苦労された仲間もいました。
一度研究テーマが決まってしまえば、後はそのテーマについて先行研究、判例、裁判例をひたすら集めて読み込んでそれを自分の中で整理して最後に自分の考えを付け加えるというかたちで書き上げていきます。修士論文提出期限直前は、睡眠時間もままならず本当に大変でした。

 

今振り返って思うこと

当時のことを振り返ると仕事をしながら大学院に通学して科目免除をとることは、決して楽ではありませんでした。しかし、科目合格がいくつかあり科目免除されれば資格を取得できるのであれば、選択肢の1つとして考えてもいいと思います。ただし、2年かければある程度確実に科目免除されますが、その代償としてお金、時間、仕事、家庭などのプライベートがかなり犠牲になりますのでそのあたりをクリアすることができ、なるべく早く税理士登録したいという強い意志が必要だと思います。