
【個人向け国債】国債がNISAの対象に?政府が検討する「個人向け国債の魅力アップ策」とは
■まず結論から
政府は、個人向け国債をより魅力的な商品にするための検討を始めました。
NISA(投資の利益に税金がかからない制度)の対象に国債を加えることや、新しいタイプの国債を発行することなどが議論されています。
ただし、現時点ではまだ検討の段階で、具体的な内容は決まっていません。
■「個人向け国債」とは?
国債とは、国が発行する債券、つまり「国にお金を貸して、利息を受け取る」金融商品です。
個人向け国債は、1万円から購入でき、元本(貸したお金)が保証されている安全性の高い商品です。
現在、国債の利子には約20%の税金がかかります。もしNISAの対象になって非課税になれば、受け取れる利息が増えるため、投資先としての魅力が大きく高まります。
■なぜ今、国債が注目されているの?
【理由1】日本銀行の国債購入が減っている
これまで国債の多くは日本銀行が買い入れてきました。しかし、日本銀行は買い入れる額を段階的に減らしています。そこで、個人にもっと国債を持ってもらうことで、国債の市場を安定させたいという狙いがあります。
【理由2】個人の国債保有がとても少ない
日本の個人の金融資産は約2,300兆円ありますが、そのうち国債は約20兆円、わずか1%程度にとどまっています。
【理由3】金利が上がってきている
金利が上がる中で、国債は普通預金よりも高い利回りが期待できます。安定した運用を望む方にとって、魅力的な選択肢になりつつあります。
■どんな案が議論されているの?
【財務大臣の発言】
片山財務大臣は、NISAへの組み入れを含めて、個人向け国債の商品の見直しを早急に具体化したいとの考えを示しました。
【各党・財務省で議論されている主な案】
・自民党内:相続税の減免、利回りを2割程度高める、途中解約のルールの緩和
・国民民主党:個人向け国債をNISAの対象に加える(NISAで持つ国債には相続税も非課税とする内容を含む法案を参議院に提出)
・財務省:新しい商品の導入を検討。物価に連動する国債や、ボーナスとして利息が上乗せされる国債などが議論に
また政府は、今月まとめる「骨太の方針」(政府の経済・財政運営の基本方針)にも、個人向け国債の魅力向上を盛り込む方針です。
■期待されていること・指摘されていること
【期待されていること】
今のNISAは若い世代の利用が多い傾向があります。国債が対象になれば、値下がりのリスクを避けたい高齢の方なども、物価の上昇に負けない資産づくりのために活用しやすくなると期待されています。
【指摘されていること】
一方で、相続税の非課税などの優遇については、「資産の多い人ほど有利になるのではないか」「税収が減るのではないか」といった慎重な意見もあります。今後の議論の中で、どのような制度設計になるかが注目されます。
■まとめ
個人向け国債のNISA組み入れが実現すれば、預貯金と株式に偏りがちな資産運用に、新たな「安定」の選択肢が加わる可能性があります。
相続税の非課税など踏み込んだ優遇がどこまで実現するのか、今後の制度設計に注目していきましょう。
資産運用や相続対策についてのご相談は、お気軽に当事務所までお問い合わせください。
※本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。記事中の内容は検討段階のものであり、今後の議論で変更・見送りとなる場合があります。
